大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)1051 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人神谷安民の上告理由第一点について。

論旨冒頭で上告人(控訴人)から所論口頭弁論期日指定申立書が期間内に提出さ

れたことは明らかであるという点は原審の証拠の取捨、事実認定の非難であつて上

告適法の理由とならない。

次に論旨は所論の証拠調をしなかつた審理不尽の違法を主張するが控訴審の口頭

弁論期日が当事者双方の不出頭により休止となつて後三ケ月の期間内に当事者の一

方から口頭弁論期日指定の申立があつたか否かを判断するには控訴裁判所は職権を

もつてこれを調査すべきものであり、そのためには必要と認める証拠資料を職権で

取り調べうるけれども、また当事者の提出した証拠のみを取調べるに止めても妨げ

ないものと解すでべきあるから、右論旨は理由がない。

同第二点について。

口頭弁論期日に当事者双方出頭しない場合には、その一方より予め同期日延期の

申請があつたにせよ右延期申請が採用すべからざるものとして却下された以上、裁

判所は同期日を休止となつたものとすべきであり、右期日の後三ヶ月の期間内に裁

判所は職権により期日を指定することはできるが、指定しなければならないもので

はない。所論の点に関する原審の判断は相当であつて、論旨は理由がない。

同第三点について。

所論の控訴理由書(昭和三四年六月一七日付)は、本件訴訟につき昭和三四年五

月二日の経過とともに控訴の取下があつたものとみなされて訴訟が終了した後に提

出されたものであるから、原審がこれに対して判断を加えなかつたのは当然である。

- 1 -

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!